前回、不動産の価格というのは
「需要と供給」
によって決まっているのだと述べました。
私たちの身の回りにある財の価格は、たいてい需要と供給によって決まっていますので、それほど不思議なことでもないのですが、不動産の価格は特別扱いを受けておりまして、不動産鑑定士が鑑定評価を行って、地価公示という形で大々的に発表されています。
それはさておき。
地価が上がったり下がったりする要因について、もう少し突っ込んでみていきたいと思います。
地価が上がる=需要が増える・供給が減る
地価が下がる=需要が減る・供給が増える
ということでしょうか。
人口減少に悩む過疎地では、たしかに年々需要が減っていくでしょう。
そうではなく、今年の地価公示では、銀座の地価も下がっています。
銀座の土地は誰だって欲しいと思います。
つまり需要が減ったわけでもないですし、ぼこぼこ土地が売りに出ているわけでもないです。
つまり、私が言いたいのは、需要のある土地は、常に需要があるのです。
では、なぜ地価が下がるのか。
それは、その価格で買える人がいないから。
ここからは私見です。
基本的に、不動産には需要があります。
買えるものなら欲しいものです。
ですから、買えるうちは地価が上がります。買えなくなると地価は下がります。
誰が決めているか。
金融機関です。
不動産をキャッシュで買える人は、市場においては一握りの限られた人たちで、たいていは借り入れをして購入します。
ですから、買えるか買えないかは、金融機関が貸してくれるか貸してくれないかに懸かっているわけです。
ですから、不動産の価格は、銀行の融資姿勢に大いに関係します。
長期的にみますと、金融機関の不動産向け融資残高、あるいは新規融資高と地価動向には関連性がみてとれるのではないでしょうか。
以上が、私が精いっぱい要約した不動産価格形成過程です。