以前、相続税評価上の底地(貸宅地)の評価はおかしい
と申し上げまして、その中で使いました「限定価格」という概念を説明させていただきます。
これは不動産鑑定評価基準に記載されている概念でして、
「限定価格とは、市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不動産
との併合又は不動産の一部を取得する際の分割等に基づき正常価格と同一の市場
概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することにより、市場が相
対的に限定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正
に表示する価格をいう。」
と定義されております。
「隣の土地は倍出してでも買え」と言われるのも、限定価格の概念だと思います。
不動産鑑定評価では、第三者間取引における価格である「正常価格」のほかに、このような「限定価格」を求める場合があります。
もちろん、「正常価格」と「限定価格」では結果が異なるのが普通です。
どのように限定価格を求めるかと申しますと、たとえば隣の土地と自分の土地を合体させた場合に、どのくらいお得なのか、隣の土地単体の場合、自分の土地単体の場合と比べてどのくらいお得なのか、と調べていって結論を出すわけです。
不動産鑑定評価基準では、限定価格を求める場合を例示列挙していますが、その(1)が「借地権者が底地の併合を目的とする売買に関連する場合」なのです。
まさに、相続税評価上、求められる貸宅地の価格は限定価格なのです。
詳しくは、「貸宅地(底地)の価格」の回をご覧ください。