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中古戸建住宅市場について思うこと

中古の戸建住宅市場について思うことを書きたいと思います。

 

私は中古戸建を買って住んでおります。

なぜかというと、補助者時代の薄給のころで、新築が買えなかったからです。

しかしながら、今の家にはたいへん満足しております。

 

日本の住宅事情と言いますと、新築信仰と申しますか、初めて家を買うときには新築住宅が好まれる、という風習がございます。

このあたり、海外とは事情が大きく違っているようで、新築をこんなに愛でるのは日本ぐらいのようです。

そうしますと必然的に、中古住宅に価値が認められなくなり、スクラップ&ビルドが繰り返される、非生産的な社会が形成されます。

国土交通省もこのあたりを問題視しまして、近年はストックの流通に力を入れております。

 

しかし、新築をありがたがる風習は、これから家を買おうとしている人にとってはチャンスでもあります。

まだまだ使える「使用価値」の高い中古住宅が、不動産市場では「市場価値」の低いものとして扱われるからです。

 

これまでは新築から20年が経過した家には価格がつかない、と言われてきました。

でも、20年前に建った家なんて、まだまだ住めます。新築して20年経ったら建て替えるなんて人、いませんものね(まだローンも残ってるでしょうし)。

さすがに最近は、多少の値がつくようですが、それでも実際の使用価値に比べると割安なのではないでしょうか。

 

ただし、古すぎる建物は、耐震基準を満たしていなかったりしますので、注意が必要です。

 

中古住宅の見方は、やはり建築の専門家でないと判断が難しい部分もあるかと思いますが、お得な買い物がしたいなら、「使用価値」と「市場価値」のギャップの部分は魅力です。