不動産鑑定士の自由研究

不動産鑑定士という職業の認知度アップに貢献したい

イムズが閉館したらしい

福岡県民として、なかなかの大ニュースなのでは、と思います。

なにしろ、天神のど真ん中の出来事ですので、ほとんどの県民が一度は足を踏み入れたことがあるのではないでしょうか。

私も、天神地下街から市役所への通り道として、何度も入ったことがあります。

イムズ、正式名称は天神MMビル、MMは明治安田生命のMと、三菱地所のMです。

竣工が1989年3月です。

鉄骨鉄筋コンクリート造です。

外壁のタイルに有田焼を使っているとか、とにかく、けっこう上等な建物です。

築32年ですから、まだまだきれいですし、まだまだ使えるように思います。

でも、建て替えらしいです。

いわゆる法定耐用年数は、鉄骨鉄筋コンクリート造の店舗用ですと、39年となっています。

不動産鑑定評価上の耐用年数は、物理的に使える建物か、という部分に加え、経済的な側面からみた耐用年数、つまり、市場価値があと何年残っているのか、という見方をします。

そんなこと言われても困るんですけどね。

たとえば、イムズ。

たぶん、物理的にはまだまだ十分に使えるし、市場価値としても、十分に残ってると思うんです。

では、あと何年、市場価値のある建物として見ることができるか、と言われると困りますよね。

実務では、さまざまな指標を駆使して、どうにか理由をつけているというのが実情ではないでしょうか。

それにしても、天神MMビルはまだまだ現役で市場価格がつく建物だったのに、と思います。

期間限定の「天神ビッグバン」に合わせての再開発なんでしょうけれども、一戸建てを建て替えるのとは、動くお金が違うだけに、なんとももったいない気がします。