不動産鑑定士の自由研究

不動産鑑定士という職業の認知度アップに貢献したい

底地の利回りについて

同業者から相談された案件です。

相当にマニアックな内容です。あらかじめ、ご了承ください。

 

相談内容は、

前任者が底地の鑑定評価書を残して退職した。

同一の不動産を再評価してほしいという依頼が来ている。

前任者が書いた評価書の中に、

2.5%と6.0%、

2通りの利回りが出てくる。

なぜ、異なる利回りが同じ不動産に対して出てくるのか、読み方が分からない。

という内容でした。

 

不動産鑑定士なのに、そんなことも分からないのか、と言わないでいただきたい。

眼科のお医者さんは骨折に詳しくないだろうし、整形外科のお医者さんは白内障には詳しくないでしょう。

 

で、結論から申しますと、

2.5%というのは、更地価格に対する利回りで、

6.0%というのは、底地価格に対する利回り

ということで解決を見たのですが、このように、「利回り」と一言で片づけてしまうと、更地価格に対する利回りなのか、底地価格に対する利回りなのかで、意味合いが全然違ってきますので、プロとして、確実に確認しないといけないところ、思い込みを捨てないといけないところであると、改めて勉強になった件でした。