不動産鑑定士の自由研究

不動産鑑定士という職業の認知度アップに貢献したい

2021-01-01から1年間の記事一覧

メタバースの土地取引が熱いらしい

もはや私の理解を超えているのですが、仮想世界での土地取引が過熱しているという記事を読みました。 私の中では、仮想世界に土地がある、という状態が既にバブルなのですが、その価格が高騰していると聞くと、バブリーな市場環境であると感じざるを得ません…

投資用不動産としての底地

底地について、別の角度からのアプローチです。 近年、Jリートの投資対象に、底地というアセットタイプが増えています。 詳しくは、 http://www.tmaxv.co.jp/assets/upload/report/2021/pdf2021_1122.pdf 前回お話しましたように、「底地の利回り」という場…

底地の利回りについて

同業者から相談された案件です。 相当にマニアックな内容です。あらかじめ、ご了承ください。 相談内容は、 前任者が底地の鑑定評価書を残して退職した。 同一の不動産を再評価してほしいという依頼が来ている。 前任者が書いた評価書の中に、 2.5%と6.0%…

九州の経済規模

先日、研修会に参加したというお話をしましたが、その後、業務多忙につき更新が滞っておりました。 研修会では、興味深いお話をたくさん聞くことができましたので、ご紹介したい内容もたくさんあるのですが、なかなか更新が追いつきません。 そのうち、時間…

法定耐用年数という言葉のチョイス

先日、研修会に出席したという話を書きましたが、その中で感銘を受けたお話をひとつ。 法定耐用年数と言われると、償却資産、たとえば建物の寿命があらかじめ定められているような響きです。 しかも、それを法で定めるなんて。 いかにも、その年数以上は使用…

研修会でした

こちら福岡では、九州・沖縄不動産鑑定士協会連合会(九鑑連)主催の研修会でした。 これは不動産鑑定士向けの研修会で、二日間ぶっ続けの、なかなかハードな会なのですが、不動産鑑定士は継続研修と申しまして、年間15単位の研修を受けなければなりません。…

評価事例 退職金を不動産で支給する場合

不動産鑑定評価の本質は、不動産の経済価値を「誰かに示すため」であると書いたことがありますが、退職金を不動産で現物支給する場合など、不動産鑑定評価の出番となります。 現金で2千万円の退職金を支給するなら、誰が見たって2千万円の退職金です。 でも…

令和3年不動産鑑定士試験 合格発表がありました

まず、合格された方、おめでとうございます。 これまでの道のりはたいへんだったことでしょう。 だけれども、資格者は、互いに何も言わなくても、同じ苦労を乗り越えてきた、という点において、同志としての連帯を感じています。 おそらく、業界に一定数いる…

不動産鑑定士業界における選択的夫婦別性

今回は不動産から少し離れた話題ですので、不動産マニアのご期待には添えないと思います。 法務省のホームページには、「選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)」と書かれていますので、正式には選択的夫婦別氏制度なのでしょうけれども、私はこ…

評価事例 株価の評価にあたって不動産鑑定評価を行う場合

相続税評価にあたっても、株価の評価をすることがあるかと思います。 この場合、同族株主かどうか、大会社かどうか、などという判定に基づき、評価方法が定められておりまして、 〇純資産価額方式 〇類似業種比準方式 〇配当還元方式 のいずれを使うのか、判…

評価事例 空き家対策に不動産鑑定評価

以前、担当させていただいた評価事例をご紹介します。 役所のみなさんを悩ませる空き家問題。 草ボーボー、倒壊寸前の空き家は、一義的には所有者さんの問題です。 しかし、苦情は役所に寄せられます。 ご対応にあたっておられる職員の方は、本当にお気の毒…

地主さんの建てる賃貸マンションについて

不動産投資と言えば、まず思いつくのは賃貸マンションでしょうか。 賃貸アパートでもよいのですけど。 世間では「不動産投資、始めてみませんか」とかいう謳い文句があり、庶民も「不労所得」を夢見て、サラリーマン大家などもずいぶん増えているようですが…

シュールな光景 リバーウォークと小倉城

リバーウォークと小倉城 北九州市役所に行ってきました。 市役所の前には小倉城、そしてリバーウォーク。 役所調査はなかなかたいへんでしたが、目の前に広がるシュールな光景に、元気を取り戻して、昼からの調査もがんばりました。 小倉城の向こうにリバー…

活用事例 セカンドオピニオン2

私が担当させていただいたセカンドオピニオンの事例をご紹介します。 「継続賃料」でした。 簡単に説明しますと、賃料の評価には、 〇新規賃料 〇継続賃料 の2種類ございます。 新規賃料は、これから賃貸借契約を結ぶとしたら、賃料はいくらが適正か、という…

活用事例 セカンドオピニオン1

たまに、ですけど、不動産鑑定評価書について、セカンドオピニオンを求められることがあります。 たとえば、込み入った内容の評価ですと、一般の方にとっては、何が書いてあるのか分からないから、内容を解説してほしい、などというニーズもあります。 結論…

容積率 前面道路幅員に係る容積率緩和区域

不動産について話すうえで欠かせない知識が 「建蔽率」 「容積率」 建蔽率は、敷地面積に対する建坪の割合のこと。 容積率は、敷地面積に対する延床面積の割合のこと。 土地の価格により大きな影響を及ぼすのはどちらかと言いますと、容積率です。 同じ面積…

令和3年地価調査が発表されました

不動産鑑定士の主要な業務のひとつである地価調査が、昨日、発表されていました。 毎年7月1日時点の地価を定点観測するもので、私も業務に携わらせていただいております。 全国的な動きをみますと、ぐっと盛り返してきていた地価が、昨年は落ち込んでおりま…

建物の解体現場

解体中 特に思い入れのない建物であっても、解体中の現場というものは、何らかの感情を呼び起こさせてくれます。 作ったり壊したり。 人類の営みに、いじらしさを感じます。

恒大集団の負債が33兆円とか

中国の不動産事情は、まったく分からないのですが、恒大集団という中国の不動産大手が、33兆円の負債を抱えてピンチだと報道されています。 33兆円に至るまで、人民元だったりドルだったりで書かれていて、どれくらいの負債なのかピンときませんでしたが、日…

天神ビジネスセンター開業間近

天神ビジネスセンター 大きすぎて、全体がうまく撮影できません。 日々移り行く天神の姿をお届けしようと、がんばりました。 工事も大詰めの模様です。 福岡地所さんの公式ホームページがやや重くて、なかなか開かないのが少し心配です。 敷地面積 3,917.18…

土地の立体利用

全体的な地形は傾斜地だが宅盤は概ね平坦 この傾斜地を造成して平坦な宅盤を生み出した熱意に敬意を表します。 県土整備事務所のホームページで調べてみたところ、イエローゾーン(土砂災害警戒区域)にもレッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)にも指定され…

不動産鑑定士の実務修習という制度

不動産鑑定士試験に合格しても、実務修習を受けなければ不動産鑑定士として登録することができません。 実務修習は1年コースと2年コースが用意されていて、その間に、実務修習機関と言われる、鑑定実務を教えてくれるところ(多くは不動産鑑定業者)に所属し…

ダブルアクセスという価格形成要因

駅までの距離というのは、土地の価格を決める大切な要素です。 ここ福岡では、JRのほかに市営地下鉄、西鉄、平成筑豊鉄道、北九州モノレールなどが走っています。 たとえば、春日市や大野城市あたりの住宅地の立地条件を考えた場合、 ①西鉄「春日原」駅 40…

イムズが閉館したらしい

福岡県民として、なかなかの大ニュースなのでは、と思います。 なにしろ、天神のど真ん中の出来事ですので、ほとんどの県民が一度は足を踏み入れたことがあるのではないでしょうか。 私も、天神地下街から市役所への通り道として、何度も入ったことがありま…

土地価格比準表という便利ツール

土地価格比準表という書物をご存知でしょうか。 そもそも、なんですけど。 たとえば、道路を新設したい、というとき、まずは道路用地を買収しないといけません。 この買収価格を決めるのは、起業者です。 ですから、国道を造るなら国、県道を造るなら県、市…

現在進行形で変わりゆく福岡

天神MMTビル(解体中)と天神ビジネスセンタービル まさに移り行く都市の現在進行形。 それにしても、これまで端正な表情を見せてきたビルが、骨組みを剝き出しにして解体されていく姿って、興奮します。 頑丈な建物を建てると、解体はたいへん。 当然の摂理…

令和3年 不動産鑑定士試験(論文式)の問題が公表されています

長丁場の試験、おつかれさまでした。 さっそく国土交通省のHPに、令和3年の不動産鑑定士試験(論文式)の問題が公表されていますね。 演習の類型は定期借地権付き建物でした。 鑑定理論に関しては、私も後日解いてみたいと思います。 民法の問題は、平穏な取…

不動産鑑定士の主要業務 地価公示について

不動産鑑定士って、どんな仕事をする人なんですか、と聞かれて、同業の友人は、 「日本の地価を決めている人です」 と答えるらしいです。 すなわち、地価公示は、不動産鑑定士にとって、社会的に重要な業務のひとつです。 地価公示の業務内容については、改…

現役不動産鑑定士がR3不動産鑑定士試験(短答式)を解いてみる

国土交通省のHPに載っている不動産鑑定士試験(短答式)を解いてみました。 昨日は行政法規で散々にやられましたが、さすがに鑑定理論は余裕で合格ラインを超えました。 まあ、当然なんですけどね。 感想としては、間違えた問題は、ホント細かいところばかり…

令和3年の不動産鑑定士試験はお盆

例年、不動産鑑定士試験は、短答式が5月で、論述式が8月の初旬に行われるものと思っておりました(たしか自分が受験したときも、8月の最初の土日月にあった気がします)。 今年の日程を見てみると、8月14・15・16日。 お盆の真っただ中。 なんだか切なくなり…