不動産鑑定士の自由研究

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一棟貸しのロードサイド店舗の賃料2

さて、ロードサイド店舗の出店方法です。

 

前回お話しした「事業用定期借地」を活用して出店する方法がひとつ。

この場合だと、「土地」の賃貸借ということになります。

 

次に、地主さんに建物まで建ててもらって、「建物」を借りて出店する方法もあります。

 

この場合だと、地主さんが建物の建築費を負担しないといけませんので、初期費用が必要になってきます。

金融機関から借り入れる、となると、地主さんはいくらかのリスクを負うわけです。

 

そこで、出店する側が、「建設協力金」という名の貸付金を出すわけです。

協力金という名目ですので、抵抗は少ないですが、要するに誰から借りるかの違いがあるだけです。

出店する側は、月々支払うべき家賃と、貸付金の返済分を相殺して、貸付金を回収していきます。

 

そして、こういうケースでは、建物を建てる地主さんは、出店する側の言いなりにならざるを得ませんので、いわゆる「オーダーリース」、つまり、セブンイレブンでしたら茶色いタイル張りの、ローソンでしたら白いタイル張り、というように、出店する側が指定する仕様の建物を建てることになります。

 

余談ですが、建て貸ししたものの、撤退されたであろうコンビニ仕様の空き店舗をよく見かけますね。

コンビニでしたら、比較的汎用性が高い建物の場合が多いですので、郵便局だったり、スポーツジムだったり、学習塾だったり、クリニックだったり、さまざまな用途に転用されているケースが多いです。

でも、世の中には、ユニクロ仕様のネットカフェだったり、餃子の王将仕様のオフィスだったり、ちょっと複雑な思いになる建物もあります。

次回につづく