話が逸れてしまいました。
賃料のお話です。
前回は、ロードサイド店舗の出店には、
①「土地」を借りて、建物を建てる場合
②地主さんに建物を建ててもらって、「建物」を借りる場合
がある、というお話でした。
そこで、それぞれの賃料はどうやって決まるのか、という、不動産鑑定士らしい考察を述べたいと思います。
第一感ですと、
①は土地の賃料ということになりますので、
・地代の相場
・更地価格に対する期待利回り
などを考慮して決まっていきそうです。
②は建物の賃料ですので、やっぱり
・家賃の相場
・初期投資に対する期待利回り
などを考慮して決まりそうです。
でも、このように、ロードサイド店舗(に限りませんが)の賃料を求める場合には、①と②の関連について考慮する必要があります。
なぜなら、借りる側も貸す側も、①と②のケースについて経済比較を行うと思われるからです。
通常、家賃というのは、建物の床面積に対して、坪いくら、などと言います。
しかし、一棟貸しの場合、土地をまるっと借りて、そのうえ、建物も借りているのです。
ですから、その家賃は、建物の面積だけでなく、土地の面積にも左右されるのです。
一棟貸しの家賃を求めるにあたっては、まず、土地だけを借りた場合、地代がいくらくらいになって、そのうえ、建物を借りるので、地主さんが建物に投下した資本に見合う建物部分の賃料がいくらくらいになって、それを合わせて、家賃が求められる、というプロセスが必要になると、これが不動産マニアである私の個人的な見解です。
不動産鑑定評価基準に則って説明しますと、鑑定評価額決定にあたっての総合的勘案事項である「単価と総額との関連」にあたるでしょうか。
つまり、坪単価に建物面積を掛け合わせて家賃を求めるだけでなく、総額の観点からの検討が必要になると思います。
少しマニアックなお話でしたが、いつかどこかで誰かのお役に立てば幸いです。