不動産鑑定士の自由研究

不動産鑑定士という職業の認知度アップに貢献したい

不動産鑑定士業界のテーマ あるべき価格か ある価格か 3

では、不動産鑑定士の存在意義は、と言われると、「あるべき価格」を求めることができる点ではないでしょうか。

 

バブル期、「ある価格」は、その実力を大きく上回りました。

その反省から、不動産鑑定士の業界では、「収益還元法」による実力の測定を行うようになったのではなかったでしょうか。

 

たとえば、数年前、アパート投資が流行した頃には、アパート用地がバカ高い価格で取引されました。このバカ高い価格が「ある価格」です。

しかし、20年後、これらのアパートが空室だらけになって、いわゆるサラリーマン大家さんたちが続々と自己破産なんてしていたとしたら、この当時の「ある価格」は間違った値付けだったということです。

これを、実力相応の価格だとか、実力不相応のバブル価格だとか、偉そうに意見できるのが不動産鑑定士だと思います。

 

そうすると、地価公示の価格は、「ある価格」を追いかけつつも、「あるべき価格」を踏まえた価格でよいのではないか、と思います。

 

地価公示法にも、「適正な地価の形成に寄与すること」を目的だと言っているのですから。

 

長々とお付き合いいただきまして、ありがとうございました。