相続税路線価が発表されまして、夕方のニュースでけっこう取り上げていただいております。
例年、相続税路線価は7/1に発表されますので、予定どおりです。
さて、このニュースの中で、どこの地価が上昇で、どこの地価が下落とか、上昇の要因は何だとか、詳しく解説していただいており、相続税路線価の基礎となる価格を評価している不動産鑑定士としましては、たいへんありがたいのですが、実は同じことを3月の末にもしておりました。
それが地価公示です。
いろいろ整理します。
まず、公的土地評価には4種類あります。
・地価公示
・地価調査
・相続税路線価
・固定資産税評価
そして、地価、すなわち土地の価格というのは、一定ではなく、常に変動しているという大前提がございます。
さて、上記4つの公的土地評価におきまして、地価の判定の基準となる日、すなわち価格時点と、それらの価格の発表時期というのは、
・地価公示:毎年1/1時点→3月下旬ごろ発表
・地価調査:毎年7/1時点→9月下旬ごろ発表
・相続税路線価:毎年1/1時点→7/1発表
・固定資産税評価:基準年度(3年に1度)の前年の1/1→基準年度の4/1から縦覧
となっています。
ですから、今年の1/1時点の地価動向というのは、地価公示の発表があった3月下旬に、ニュースや新聞で取り上げていただいております。
一般の方はそこまで興味を持つテーマではありませんから、3月のニュースなど7月には忘れておられるかも知れませんので、たいへん意義のあるニュースではあります。
しかし、われわれ不動産鑑定士の内情をお話ししますと、地価公示で地価上昇と言った地点が、相続税路線価評価で地価下落と言うような矛盾は、あってはならないので、きちんと整合をとります。
ですから、今日ニュースで取り上げられた地価の動向については、3月に発表された地価公示のニュースをおさらいしているに過ぎないのです。
それでも不動産鑑定士がニュースに登場して、世間に存在をアピールできる機会というのは、たいへんありがたいです。