不動産鑑定士の自由研究

不動産鑑定士という職業の認知度アップに貢献したい

任意売却と不動産鑑定士のハンコ

不動産をキャッシュで買える人はなかなかいません。

そんなとき、ローンを組みます。

カタカナで表記すると軽やかな響きですが、要するに「借金」です。

この借金の返済が滞ると、お金を貸している側は、不動産をお金に換えて、貸倒れのないようにします。

このとき、残債よりも安い金額でしか売れなかったら、お金を貸している側は損をします。でも、裁判所に申し立てて競売にかけられると、安くしか売れなかったりします。

そこで、任意売却という手続きがとられます。

強制競売になる前に、任意で売却すれば高く売れるのであれば、お金を貸している側もそれを拒む理由はありません。

でも、任意売却で売れた価格が本当に適正な価格で、お金を貸している人に損をさせているわけではないと証明しないと、お金を貸している側としては怒ります。

 

債務整理を請け負った弁護士さんや司法書士さんなどからのご紹介が多いのですが、裁判所から、適正な価格で不動産を売却するので、お金を貸している人に損をさせていないという証明を求められます。

 

こんなときは不動産鑑定士の出番。

 

であることが多いのです。

裁判所も、不動産鑑定士のハンコを重宝してくれていました。

 

ところが、です。

最近では、不動産鑑定士のハンコに代えて、不動産業者さんの「査定書」を3つ持って来ればよい、とか、2社でもいいとか、そんなことを裁判所がおっしゃる事例が発生しています。

 

でも、ですね。

不動産の価格を求めて、報酬をもらえるのは不動産鑑定士だけなんです。

ということは、「査定書」を出した不動産業者さんは、無料サービスで査定書を書いているのですか。

報酬をもらったら違法ですし、報酬をもらっていないとして、タダ働きさせられて書いたその査定書を裁判所が信用しますか、と思うのです。

 

愚痴っぽくなりましたが、何かのご参考になれば幸いです。