不動産鑑定士の自由研究

不動産鑑定士という職業の認知度アップに貢献したい

評価事例 遺産分割協議の参考として

遺産分割のお話し合いの真っ只中におられる代理人弁護士さんからのご依頼です。

 

主な相続財産は、不動産がふたつ。

相続人は(熟年の)お子さまがふたり。

ひとつが自宅で、ひとつがアパート。

 

あまり具体的なことは言えませんが、相続人のうちのひとりが自宅にお住まいで、ですから、どちらが自宅をもらうかは明確で、あとはふたつの不動産の価値が不公平かどうか、という案件です。

 

そうこうしているうちに、相続人のうちのおひとりがお亡くなりになり、相続人が「1+1=2人」だったのが、「1+3=4人」になってしまいました。

 

もう、集まるだけでもたいへんですので、すべては双方の代理人弁護士の間で決まっていきます。

 

不公平である(と主張したかったであろう)ふたつの不動産の評価額も、われわれ不動産鑑定士の手で、明らかになります。

 

ちなみに、遺産分割のために不動産を評価する場合、どの時点の価格を求めるのか、という問題があります。

 

特に税務に携わっておられる方は、「相続財産の評価=相続開始時点」と思いがちですが、

特別受益寄与分を考慮した具体的相続分確定のための評価=相続開始時点

○現物分割や代償分割を行うための評価=遺産分割時点

となっております。

本件の不動産鑑定評価における「価格時点」は、遺産分割時点に近い現在時点となります。

(詳しくは、「相続あんしん相談室」や「相続の法律Q&A」などで検索してみてください。分かりやすく説明してくださっています。)