市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域と定められており(都市計画法第7条)、原則として建物が建てられないエリアです。
一方、都市計画法第34条第12号では、市街化調整区域であっても、条例で区域を決めて、開発を行う、すなわち建物を建てることができる、とされています。
福岡市では、平成27年に条例を改正して、この制度を導入しました。
福岡市のホームページによりますと、この制度を導入した理由として、
・農林水産業など一次産業の衰退による市街化調整区域の人口減少
・著しい高齢化や年少人口の減少の進行による地域コミュニティの衰退
が挙げられています。
このエリアに指定されるためには、地域が主体となって取り組み、地域住民等の合意形成を図ったうえで、市に申し出る、という手続きが必要となります。
さらに、このエリアに指定されるための要件があって、
・災害ハザードエリアではないこと
・既存の集落であること
・人口の減少が認められること
・50以上の建築物が集積していること(いわゆる50戸連たん)
・地域住民等による合意形成がなされていること
・定住の促進が図られる必要があること
などが挙げられています。
この制度によって、市街化調整区域内でも戸建分譲が可能になり、福岡市では市街化調整区域内であっても、この指定を受けているエリアでは、高値での土地取引がみられるようになっています。
留意点としましては、いわゆるウェブマップなどで都市計画を調べるにあたって、この区域指定が反映されていない場合があり、別途、市街化調整区域については、このエリアに該当するか否か、所管の部署で調べる必要があるという点です。
福岡市の「運用の手引き」が分かりやすいですから、載せておきます。
ご興味のある方はご覧ください。
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/54091/1/kuikisiteitebiki.pdf?20240430151938