不動産鑑定士の自由研究

不動産鑑定士という職業の認知度アップに貢献したい

評価事例 株価の評価にあたって不動産鑑定評価を行う場合

相続税評価にあたっても、株価の評価をすることがあるかと思います。

この場合、同族株主かどうか、大会社かどうか、などという判定に基づき、評価方法が定められておりまして、

〇純資産価額方式

〇類似業種比準方式

〇配当還元方式

のいずれを使うのか、判断する余地はありません。

 

ちなみに、この評価方式は、不動産を評価するときの3方式にも対応しておりまして、

〇費用アプローチ:純資産価額方式⇔原価方式

〇市場アプローチ:類似業種比準方式⇔比準方式

〇収益アプローチ:配当還元方式⇔収益還元方式

と表すことができます。

 

ところで、相続税評価で株価を評価するときに、判断が介入する余地はありませんが、ケンカ別れした共同経営者や、その相続人からの株の買取請求であったり、あるいは円満なM&Aにあたっての株の譲渡価格の算定であったり、任意に株価を評価する場合には、どの方式で評価した株価を重視するか等、判断の余地があります。

 

そのなかで、純資産価額方式を採用するならば、不動産の価格に、まず簿価を入れて計算すると思いますが、たとえば土地の簿価は取得価額ですから、時間がたてば、簿価と時価が乖離しがちです。

 

このような場合に、われわれ不動産鑑定士が鑑定評価をさせていただくケースが多くあります。

 

株価の評価の中の、純資産価額方式の中の、土地の時価を求めるだけですので、株価の評価全般の中では、ほんの一部品に過ぎないのですが、資産に占める割合の重要性が高いケースが多いですので、株価の評価をされている公認会計士さん、税理士さんなどの先生方には、ここはキッチリ鑑定評価をされることを、お勧めします。