不動産鑑定士の自由研究

不動産鑑定士という職業の認知度アップに貢献したい

不動産鑑定士 総論

敷金の運用利回り1

できるだけ分かりやすいテーマを取り上げるように心掛けているのですが、不動産鑑定士という人種は、実はこんなこともきちんと考えています、というお話をさせていただきたいと思います。 きわめてマニアックな業界雑誌で「Evaluation」というものが発行され…

宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン(案)について

国土交通省がパブリックコメントを募集しています。 「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン」という、なんとも長い名前のガイドラインです。 要するに、「事故物件」のことです。 不動産業者が「買主」または「借主…

更地とは 不動産鑑定士試験より

「更地とは、建物等の定着物がなく、かつ、使用収益を制約する権利の付着していない土地をいう」 〇か×か。 ずいぶん前の不動産鑑定士試験に出た問題を、ふと思い出しました。 答えは×。 ひっかけ問題ですね。 正解は 「建物等の定着物がなく、かつ、使用収…

日本で最も地価が高いところ 銀座

日本で最も地価が高いところは銀座の「山野楽器」ということになっているようです。 私は銀座に行ったことがないんですけど、毎年、3月末ごろになりますと、国土交通省から地価公示の結果が発表されまして、そのなかで最も高値をつけるのが「中央5-22」とい…

不動産鑑定士の弱点

不動産鑑定士の仕事は、 「不動産の価格を求めること」ではなく、 「その価格が適正であることを誰かに示すこと」であると、 以前より主張しておりますが、もちろん専門家ですので、不動産の適正価格を求めることはできます。 それは不動産鑑定士が出せる価…

一棟貸しのロードサイド店舗の賃料3

話が逸れてしまいました。 賃料のお話です。 前回は、ロードサイド店舗の出店には、 ①「土地」を借りて、建物を建てる場合 ②地主さんに建物を建ててもらって、「建物」を借りる場合 がある、というお話でした。 そこで、それぞれの賃料はどうやって決まるの…

一棟貸しのロードサイド店舗の賃料2

さて、ロードサイド店舗の出店方法です。 前回お話しした「事業用定期借地」を活用して出店する方法がひとつ。 この場合だと、「土地」の賃貸借ということになります。 次に、地主さんに建物まで建ててもらって、「建物」を借りて出店する方法もあります。 …

一棟貸しのロードサイド店舗の賃料1

今回は、不動産の評価に関するお話を。 専門家が専門のお話をすると、たいていの場合マニアック過ぎて、誰もついてきてくれなくなるので、できる限り嚙み砕いて。 よく、幹線道路沿いに、ドラッグストアとか牛丼屋さんとかコンビニとか、とにかく広い敷地に…

中小企業診断士という仲間

以前、不動産鑑定士の認知度が低い、ということを書きました。 仲間を探すわけではないのですが、中小企業診断士という士業も、なかなか認知度が低いのではないでしょうか。 中小企業診断士は、全国に約2.7万人の登録者がおりますが、友達が中小企業診断士、…

不動産鑑定評価の報酬と仲介手数料

少しだけ、お金の話をさせてください。 以前、マイホームを買うときに鑑定評価を依頼する方はなかなかいらっしゃらない、 ということを書きました。 でも、そんな方でも、仲介業者さんには、何の疑問もなく仲介手数料を支払っておられます。 仲介手数料とし…

不動産鑑定士の土木の知識、建物の知識

いちおう不動産鑑定士という職業を認識してくださっている方でも、 不動産鑑定士は土地の価格を決める人、という見方が多いように感じます。 でも、民法86条にも「土地及びその定着物は、不動産とする」と定義されているように、建物も不動産なのです。 ひと…

地価公示と相続税路線価

前回、地価公示について書きました。 日々変動する土地価格を定点観測するのが地価公示で、毎年1月1日時点の価格が、3月下旬に発表されます。 7月になりますと、相続税路線価が発表されます。 このときにも、地価が上がったとか下がったとか、新聞に載ります…

令和3年 地価公示が発表されました

土地の価格は日々変動しています。 そこで、年に一度、1月1日時点の土地の価格を定点観測していくのが地価公示です。 例年3月下旬に発表されます。 今年は地価が下落に転じたと報じられました。 でも、あくまで平均変動率です。 ここ福岡県の地価は上昇とい…

不動産鑑定士の発信力

不動産鑑定士の認知度が低いのです。 一般の方で、弁護士や税理士という職業を知らない人はいないでしょう。 士業仲間の中で、公認会計士や司法書士という職業を知らない人はいないでしょう。 ところが、たとえば、これから資格を取得しようと意気込んだ学生…

借地権と借地権価格

借地権と借地権価格は同義ではありません。 借地権というのは、借地借家法で規定されています。 建物を建てるために土地を借りたら、発生する権利です。 一方、借地権価格というのは、その権利の対価です。 ですから、その権利に経済価値がなければ、発生し…

不動産鑑定士の業務 私の得意分野

先に書きましたように、不動産鑑定士の業務は浮世離れしていて、 一般のお客様と触れ合う機会が少ないのですが、 業務を並べてみると、意外と幅が広いことがお分かりいただけるかと思います。 少し古い話になりますが、 東京都が尖閣諸島を買い取るにあたっ…

不動産鑑定士の業務 総論

ところで、不動産鑑定士はどんな仕事をしているのか。 以下、どんな場面で不動産鑑定士が登場しているのか、列挙していきます。 具体的な内容につきましては、おいおいご説明させていただきます。 〇地価公示・地価調査・相続税路線価評価・固定資産税評価 …

かつて三大国家資格のひとつであった不動産鑑定士

三大国家資格という言葉があるらしいです。 今はすっかりマイナー資格ですが、 その昔、不動産鑑定士も三大国家資格のひとつに数えられていたようです。 最近、三大国家資格に不動産鑑定士を含めてお話しになるのは、 同業者、すなわち不動産鑑定士の方ばか…

マイナー国家資格 不動産鑑定士

不動産鑑定士がマイナーである原因のひとつが、その人数の少なさです。 ほかの士業と比較してみます。 〇弁護士 約4.1万人(2019弁護士白書 日本弁護士連合会HPより) 〇税理士 約7.9万人(R3.1 日本税理士会連合会HPより) 〇司法書士 約2.3万人(2020.4 日…

不動産鑑定士という職業

不動産鑑定士という職業をご存じでしょうか。 大半の方が、そんな職業、初めて聞いた、とおっしゃるでしょう。 聞いたことがある、という方も、これまで生きてきた中で、不動産鑑定士に会ったことがある、という方は少ないでしょう。 私はそんな、不動産鑑定…