不動産鑑定士の自由研究

不動産鑑定士という職業の認知度アップに貢献したい

不動産鑑定士 総論

いよいよ独立開業です

久しぶりの更新になります。 さぼっていたわけではなく、本当に忙しいのです。 と言うのも、実は今月末で会社を辞め、4月1日をもちまして独立開業することとなり、その準備に追われております。 開業準備をリアルタイムでお伝えできればと思っておりました…

ノース天神 ミーナ天神 統合

ビッグバンで激変中の福岡天神地区に新たな計画です。 ノース天神とミーナ天神が大規模改修の上、統合するようです。 ビッグバンを活用した建て替えも検討されたようですが、大規模改修での対応になったようです。 ノース天神の前身はショッパーズプラザ福岡…

不動産鑑定士の裏事情 公的評価

不動産鑑定士は、士業の中でも恵まれておりまして、要件を満たせば、公的評価と言われる、いわゆる公的機関からのご依頼を受けることができます。 もちろん専門家の仕事として受けるわけですから、それなりに専門的な知識や技術が必要となってまいりますので…

メタバースの土地取引が熱いらしい

もはや私の理解を超えているのですが、仮想世界での土地取引が過熱しているという記事を読みました。 私の中では、仮想世界に土地がある、という状態が既にバブルなのですが、その価格が高騰していると聞くと、バブリーな市場環境であると感じざるを得ません…

投資用不動産としての底地

底地について、別の角度からのアプローチです。 近年、Jリートの投資対象に、底地というアセットタイプが増えています。 詳しくは、 http://www.tmaxv.co.jp/assets/upload/report/2021/pdf2021_1122.pdf 前回お話しましたように、「底地の利回り」という場…

底地の利回りについて

同業者から相談された案件です。 相当にマニアックな内容です。あらかじめ、ご了承ください。 相談内容は、 前任者が底地の鑑定評価書を残して退職した。 同一の不動産を再評価してほしいという依頼が来ている。 前任者が書いた評価書の中に、 2.5%と6.0%…

九州の経済規模

先日、研修会に参加したというお話をしましたが、その後、業務多忙につき更新が滞っておりました。 研修会では、興味深いお話をたくさん聞くことができましたので、ご紹介したい内容もたくさんあるのですが、なかなか更新が追いつきません。 そのうち、時間…

法定耐用年数という言葉のチョイス

先日、研修会に出席したという話を書きましたが、その中で感銘を受けたお話をひとつ。 法定耐用年数と言われると、償却資産、たとえば建物の寿命があらかじめ定められているような響きです。 しかも、それを法で定めるなんて。 いかにも、その年数以上は使用…

研修会でした

こちら福岡では、九州・沖縄不動産鑑定士協会連合会(九鑑連)主催の研修会でした。 これは不動産鑑定士向けの研修会で、二日間ぶっ続けの、なかなかハードな会なのですが、不動産鑑定士は継続研修と申しまして、年間15単位の研修を受けなければなりません。…

不動産鑑定士業界における選択的夫婦別性

今回は不動産から少し離れた話題ですので、不動産マニアのご期待には添えないと思います。 法務省のホームページには、「選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)」と書かれていますので、正式には選択的夫婦別氏制度なのでしょうけれども、私はこ…

地主さんの建てる賃貸マンションについて

不動産投資と言えば、まず思いつくのは賃貸マンションでしょうか。 賃貸アパートでもよいのですけど。 世間では「不動産投資、始めてみませんか」とかいう謳い文句があり、庶民も「不労所得」を夢見て、サラリーマン大家などもずいぶん増えているようですが…

容積率 前面道路幅員に係る容積率緩和区域

不動産について話すうえで欠かせない知識が 「建蔽率」 「容積率」 建蔽率は、敷地面積に対する建坪の割合のこと。 容積率は、敷地面積に対する延床面積の割合のこと。 土地の価格により大きな影響を及ぼすのはどちらかと言いますと、容積率です。 同じ面積…

令和3年地価調査が発表されました

不動産鑑定士の主要な業務のひとつである地価調査が、昨日、発表されていました。 毎年7月1日時点の地価を定点観測するもので、私も業務に携わらせていただいております。 全国的な動きをみますと、ぐっと盛り返してきていた地価が、昨年は落ち込んでおりま…

不動産鑑定士の実務修習という制度

不動産鑑定士試験に合格しても、実務修習を受けなければ不動産鑑定士として登録することができません。 実務修習は1年コースと2年コースが用意されていて、その間に、実務修習機関と言われる、鑑定実務を教えてくれるところ(多くは不動産鑑定業者)に所属し…

ダブルアクセスという価格形成要因

駅までの距離というのは、土地の価格を決める大切な要素です。 ここ福岡では、JRのほかに市営地下鉄、西鉄、平成筑豊鉄道、北九州モノレールなどが走っています。 たとえば、春日市や大野城市あたりの住宅地の立地条件を考えた場合、 ①西鉄「春日原」駅 40…

イムズが閉館したらしい

福岡県民として、なかなかの大ニュースなのでは、と思います。 なにしろ、天神のど真ん中の出来事ですので、ほとんどの県民が一度は足を踏み入れたことがあるのではないでしょうか。 私も、天神地下街から市役所への通り道として、何度も入ったことがありま…

土地価格比準表という便利ツール

土地価格比準表という書物をご存知でしょうか。 そもそも、なんですけど。 たとえば、道路を新設したい、というとき、まずは道路用地を買収しないといけません。 この買収価格を決めるのは、起業者です。 ですから、国道を造るなら国、県道を造るなら県、市…

令和3年 不動産鑑定士試験(論文式)の問題が公表されています

長丁場の試験、おつかれさまでした。 さっそく国土交通省のHPに、令和3年の不動産鑑定士試験(論文式)の問題が公表されていますね。 演習の類型は定期借地権付き建物でした。 鑑定理論に関しては、私も後日解いてみたいと思います。 民法の問題は、平穏な取…

不動産鑑定士の主要業務 地価公示について

不動産鑑定士って、どんな仕事をする人なんですか、と聞かれて、同業の友人は、 「日本の地価を決めている人です」 と答えるらしいです。 すなわち、地価公示は、不動産鑑定士にとって、社会的に重要な業務のひとつです。 地価公示の業務内容については、改…

現役不動産鑑定士がR3不動産鑑定士試験(短答式)を解いてみる

国土交通省のHPに載っている不動産鑑定士試験(短答式)を解いてみました。 昨日は行政法規で散々にやられましたが、さすがに鑑定理論は余裕で合格ラインを超えました。 まあ、当然なんですけどね。 感想としては、間違えた問題は、ホント細かいところばかり…

令和3年の不動産鑑定士試験はお盆

例年、不動産鑑定士試験は、短答式が5月で、論述式が8月の初旬に行われるものと思っておりました(たしか自分が受験したときも、8月の最初の土日月にあった気がします)。 今年の日程を見てみると、8月14・15・16日。 お盆の真っただ中。 なんだか切なくなり…

家主と地主 という雑誌

家主と地主 私が定期購読している雑誌の紹介です。 賃貸不動産オーナー向け経営情報誌となっていますが、周辺業務を行うプロにとっても有用な情報が満載です。 今回は地主の事業承継が特集されていますが、税理士や弁護士にとって貴重な情報が詰まっています…

福岡県不動産市況DI調査という公表資料

不動産鑑定士協会では、公益的な事業も行っています。 その中のひとつが、不動産市況DI調査というものです。 DIというのは景気動向指数のことで、県内の不動産市場のプレイヤーである各企業にアンケートのご協力をお願いし、その結果を集計して発表している…

不動産鑑定士業界のテーマ あるべき価格か ある価格か 3

では、不動産鑑定士の存在意義は、と言われると、「あるべき価格」を求めることができる点ではないでしょうか。 バブル期、「ある価格」は、その実力を大きく上回りました。 その反省から、不動産鑑定士の業界では、「収益還元法」による実力の測定を行うよ…

不動産鑑定士業界のテーマ あるべき価格か ある価格か 2

前回は、不動産鑑定士がつける公示地価が、特に地価上昇局面において、市場における実勢価格を反映していないのではないか、という意見があるということについて、現状をご紹介しました。 ここからは私見になります。 そもそも、不動産市場というのは、情報…

不動産鑑定士業界のテーマ あるべき価格か ある価格か 1

不動産鑑定士の業界内でたびたび議論されるテーマです。 ある価格、すなわち市場に顕在化している価格 あるべき価格、すなわちその不動産が持っている実力相応の価格 不動産鑑定士が発する価格として、どちらが正しいのか。 いちおう今は、ある価格派が主流…

相続税路線価が発表されました

例年7月1日は、相続税路線価が発表される日です。 今年も例年通り、発表されましたが、大して話題になりませんでした。 相続税路線価は、国税庁のホームページで確認することができるのですが、毎年7月1日にはアクセスが集中して、なかなかつながらなかった…

中古戸建住宅市場について思うこと

中古の戸建住宅市場について思うことを書きたいと思います。 私は中古戸建を買って住んでおります。 なぜかというと、補助者時代の薄給のころで、新築が買えなかったからです。 しかしながら、今の家にはたいへん満足しております。 日本の住宅事情と言いま…

敷金の運用利回り2

前回、不動産鑑定評価においては、敷金や礼金も考慮して、収益価格を求めます、というお話をしました。 たとえば敷金だと、預かったままではなく、これを運用して得られる運用益を、当該不動産の収益にプラスします。 つまり、お金がお金を生む、という、資…

敷金の運用利回り1

できるだけ分かりやすいテーマを取り上げるように心掛けているのですが、不動産鑑定士という人種は、実はこんなこともきちんと考えています、というお話をさせていただきたいと思います。 きわめてマニアックな業界雑誌で「Evaluation」というものが発行され…